ロッタちゃんのひっこし

 児童書…というか童話であります。タイトルはよく聞いたことがあったが、主人公が女の子ゆえ、何となく子供のころから敬遠していて、手に取ったことはなかった。でも、考えてみると「赤毛のアン」なんて、やっぱし子供のころにはタイトルからして読む気がしなかったのだが、今読むとおもしろいモンね。
 妻が子供の頃から好きだったそうで、先日図書館でなっちゃんに借りてあげたのだが、妻が勧めるので、軽い気持ちで読んでみた。最初は「なんつー生意気なコドモ!しつけがなっとらん!」と思いながら読んでたが、読み進むうち…う〜む。これ、すごい傑作ではないか。
 幼い子どもの心情と、それを見つめる大人のあたたかな視線がなんとも心地よい。じつは最後の場面でかなりウルッときてしまった。なっちゃんや妻の手前、恥ずかしいので我慢したがな。ははは。
 古臭い翻訳調の文章も、なんだか素朴で新鮮。幼子を持つ方も持たない方も、読んで損はありません。