ツォツィ★★★★

　南アフリカを舞台にした映画。日本でR15指定になったことで議論を呼んだので、記憶にある人も多いと思う。
　何か最近、アフリカを舞台にした映画を見る機会が多い気がする。アフリカ映画の公開が増えているのが、世界が少しでもアフリカに目を向けている証左だとすると、悪いことではないのだろう。
　仲間からツォツィ(＝不良、の意)と呼ばれる若者。時に殺しも厭わない彼が、強盗した車の中に残された赤ん坊を拾ったことから、彼の中に生じる小さな変化を描いた映画である。こう書くと、何だかお涙頂戴のありきたりのストーリーに思えるが、決してそんなことはない。命を見つめる製作者のまなざしの温かさが確かに感じられた。
　ラストシーン、心臓をドキドキさせながら観たが、…良かった。エンディングには、良い意味で裏切られた。
　荒削りだが、心に刺さる映画だ。