世界最速のインディアン★★★★★

ツボにはまりました

 観に行ってきましたよ、「世界最速のインディアン」
 ちなみに、インディアン、というのは主人公がインディアンなのではなく、主人公が駆るバイクの名前です。観るまで知らなかった。原題は「THE WORLD FASTEST Indian」。つーかそのまんまじゃん。でもタイトルが変てこに意訳されてないのに好感が持てる。
 非常に気になっていた映画なのだが、リスペクトする御姉様のご推薦ということもあり、終わっちゃう前に何とか機会を作らねばと思っていた。やっぱりいい映画はできれば映画館で観たいからね。。
 やはり、予想どおり(ミナミさんお見立てのとおり)好きですこの映画!何せ

  1. ロードムービーである
  2. かっこいいお爺さんがでてくる
  3. 認められなかった人が最後には認められる

というような、好みのツボをしっかり抑えてる訳であります。ポンコツだけど美しいバイクの傍らにひとり佇む老人、という絵柄だけで涙腺が緩みそうになるのは単なるバカ故か。

低予算っぽいのがまた良し

 不思議なもので、時に、荒っぽいつくりがかえって好ましく思えるような映画がある。編集がしょぼかったり、ストーリーが荒削りだったりするのだが、それらを含めて好きになれるような映画。これ、明らかにその部類ですな。微妙に低予算&手作り感があるのがいい。
 簡単に言えば、ニュージーランドに住むバイク好きの貧乏じいさんが、最後に一花咲かせてやろうと40年前のバイクとともに単身アメリカに渡り、世界最速記録の樹立に挑む、という至極単純な話であるが、何よりすごいのが、実話に基づく話であるということ。少し古い話とはいえ、前向きな生き方をすることの威力を信じさせてくれるだけの力がある。
 アンソニー・ホプキンスといえば、すっかり「レクター博士」の恐ろしげなイメージが定着してしまったのだが、ずいぶん幅の広い俳優さんなんだね。でもこの映画で見せるあの明るさは、恐らく本人の素が出ていると見た。実に素敵な歳の取り方をされたものだ。あんなふうに、皺のひとつひとつが人生を語るような顔になりたいもんだなと思う。

いちばん深い台詞

 映画全体を通して、うるうる度は非常に高かったのだが、一番ぐっときたのは、主人公が隣に住む少年に言ったひと言、「夢を追わない人間は、野菜と同じだ。」他にいい台詞はたくさんあったのに、我ながらヘンだと思う。でも、ガツンと来た。ちくしょー、痛い、けどカッコいいぞ!
 せめて、まともな野菜にならねばな、と束の間誓うのであった。