M:I-Ⅲ(ミッション・インポッシブル3)★★☆
腐ってもトム
言わずと知れたシリーズ作パート3です。
トム君も、最近は妙な宗教にハマってパラマウントを解雇されたりとあまりパッとしないが、やはり画面に出てくると彼ならではの濃い〜「あめりかじん」オーラが出まくっている。そのせいかどうかは知らんが、周りの役者が皆脇役に見えてしまい(事実あんまり役者を揃えていない)、彼のプロモーションビデオみたいな印象のある映画であった。
こんなのスパイじゃない…
もともと子どもの頃はスパイになるつもりであった僕としては(パイロットにもなりたかったがな)、今回の映画は大いに不満である。もっとも、チープな色合いがその味わいでもあったテレビシリーズがハリウッド大作になった時点で、別物になることは当然ではあるけれど。「ナイトライダー」とか「特攻野郎Aチーム」みたいな、あり得ないけどワクワクする!という感じがこの手のお話の魅力なんだがなあ。
何が不満って、いろいろあるが、一言で言うと「便利すぎ」ということに尽きる。
これって、最近のアクション映画にありがちなのだが、とにかくやたらとハイテク便利グッズに頼りすぎなのだ。実生活でも同じだが、特に携帯電話とかコンピューターとかGPSとか、あまりにお手軽に使いすぎなのである。潜入モノなんかは、味方と連絡がつかなかったりするのがまたひとつのスリルだし、誘拐された仲間を見つけるプロセス自体が見せ場であるはず。知恵と工夫の絞り方が魅力なはずだ。それが、何かの端末をピピッとやって「ここにいるぞ!」みたいなのは、はっきり言って退屈極まりない。結果として、ストーリーそのものも何だか実にステレオタイプでひどく退屈なものになっている。大金使うんだったら、もう少しシナリオをきちんとしてもらいたいもんだ。
あとさあ、やたら銃を使って敵を殺しまくるってのは、正直抵抗がある。暴力的で嫌だと言うだけでなく、何だかストーリーに映画への愛情というかデリカシーが感じられないのだ。トム君も、いい歳こいて、マシンガンを乱射して敵をなぎ倒す、みたいなのはもういい加減にしたらどうかね。