国家の罠

図書館通い

 エルマーのぼうけん (世界傑作童話シリーズ)最近、毎週のようになっちゃんを図書館に連れて行っている。少し前までは、声を出して絵本を朗読していたなっちゃんであるが、最近だいぶ本が読めるようになってきた。それに、いつの間にか「黙読」できるようになっている。
 図書館に連れて行っても、以前はずっと見張ってないとすぐに飽きてしまい、パパを探しに歩き回ってしまうので、こちらは自由にできなかったのだが、最近は「ここで絵本読んでてね」というとおとなしく自分で絵本を探している。
 それに、ここのところ、いわゆる『絵本』でなく、字がメインの少し難しめの本を与えてみたら、結構夢中で読んでいるのだ。こりゃあいい傾向だなあ。「エルマーの冒険」とか、半分くらいは意味がわかってないのかも知れないが、本なんてそんなもの。最初は雰囲気がわかればいいのである。調子に乗って、自分が子どもの頃大好きだった「ロボットカミイ」とか「らいおんみどりのにちようび」なんかも与えてみた。やっぱり、いいお話というのは、時代を超えて子どもの心をつかむものだ。自分が昔読んだのと同じ本を夢中で読んでいるのを見るのは、何だかとても嬉しいものです。

国家の罠〜外務省のラスプーチンと呼ばれて〜

 国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれてどこかの書評で、「平成の奇書」とまで評されていた。いつか読もうと思っていたのだが、図書館で借りられたので、ようやく読む機会を得た。
 著者は外務省のノンキャリア外交官だが、北方領土問題の解決のため、体を張って努力してきた。ロシアの専門家である彼の能力と活躍ぶりは、おそらく日本(世界)にあっても非常に稀有なものだと思う。ところが、我々の記憶に新しい「鈴木宗男バッシング」と、あの日本一のバカ女「田中真紀子」と外務省の確執の中で、「国策捜査」の犠牲となり、一転して獄中の人となる。しかし彼は獄中でも信念を曲げず、保釈を拒否して最後まで戦う決意をするのである。
 あまりの面白さに、ほとんど徹夜して読んでしまった。著者の冷静な分析力と精神力に驚嘆する。
 それにしても、ここまで検察による取調べの内幕が表に晒されたことは無いのではないか。国策捜査とはよく言ったもので、確かにあらかじめ「有罪」のストーリーありきで捜査が進む場合、一般人は逃れようもあるまい。まさに国家権力の恐ろしさを垣間見た。
 この本を読んだついでに、同じく投獄された鈴木宗男氏の著作も読んでみた。何より思ったのは、マスコミの罪深さである。彼の主張のすべてを鵜呑みにするわけには行かないが、少なくとも僕らは、鈴木宗男氏の一体何を知っていたというのだろう。検察のストーリーに載せられ、世論なるものに迎合して一人の政治家や有能な官僚を面白半分に抹殺した、マスコミの責任はあまりにも重い。
 今の世の中を生きる上で、必要な視点を提供してくれるという意味で、必読の書だ。