フラガール★★★★★

okasurfer2006-10-06

久々の邦画

 仕事帰りに、映画観ちゃった。へへへ。
 映画評で随分評判がいいので、是非映画館で見たいと思ってた「フラガール」である。日本映画に足を運ぶなんて、一体何年ぶりだろう。ひょっとして、中学生のときタダ券で観た「二代目はクリスチャン(志保美悦子主演!懐かし〜)」「早春物語(原田知世主演!恥ずかし〜)」の二本立て以来ではなかろうか!?マジで。

スポコンサクセスストーリー?

 さて映画であるが、タイトルからしていかにも「ウオーターボーイズ」「スウィングガールズ」の同類であることが推察される。確かに、筋立ては、同じカテゴリーに属するかもしれない。しかし!結論から言うと、別格ですね。これは傑作です。
 舞台は、福島の炭鉱街。昭和40年だから、石炭の時代から石油の時代へと切り替わるところで、炭鉱にはリストラの嵐が吹き荒れる。そこで、石炭に代わる産業として、温泉のある「ハワイアンセンター」を立ち上げ、炭鉱労働者を雇おうという計画が持ち上がった。ハワイといえばフラダンス。炭鉱夫の娘たちが、家族の反対や冷たい視線の中、慣れないダンスに挑戦するが・・・というお話。これ、Based on 実話なんですね。知らなかった。ところでこの筋立て、どこかで聞いたことがあるような。…そう、あのイギリス映画の傑作「フル・モンティ」です。

キャスティング最高

 この映画のすばらしいところは、寂れゆく炭鉱というバックグラウンドがしっかり描かれていること。そうした街の「山男」達が、そう簡単に炭鉱を捨てて「ハワイアンセンター」に鞍替えすることが出来ようはずもない。そうした家族の葛藤がきちっと描かれているので、話がうそ臭くない。
 しかし何といっても、主演の松雪泰子が最高!凛とした美しさにホレました。彼女には、何かそこら辺にいるテレビドラマ俳優のイメージしかなかったのだが、何と、こんなにいい芝居をする俳優だったんだ!発見でした。それと岸辺一徳。この人も、最近良い芝居をするんだよね。NHKでドラマ化した横山秀雄の傑作「クライマーズ・ハイ」でも、存在感を示していた(これ、再放送の後編を明日NHKでやります)。あと面白いのは、「南海キャンディーズ」のしずちゃんがシリアスかつユーモラスな芝居を見せていること。ハマリ役です。

涙腺緩みっぱなし

 ストーリーは、何となく想像のつく話だが、この手の話の王道をしっかり押さえている。日本映画によくある不自然に「熱い」芝居や、やたら叫んだりするクサくてウルサイ台詞まわしがなく、自然な演出がとてもよい。
 それでもって、これがヤタラと泣かせる映画なのだ。基本的にはコメディータッチなんだが、このあたりもフル・モンティに通じるものがあるね。特にラスト近くの列車のシーン!回りの観客も、グスグスとハナをすすってたりして、エンドロール中も誰も立ち上がらなかったぞ。
 単に歳とって涙腺が緩みやすくなっただけなのかな。ヤダな〜。
 でも、「三丁目の夕日」もそうだったけど、40年代あたりって、やっぱり良い時代だったんだな。そういえば自分も、40年代生まれ。やばい。。。