ウオルター少年と夏の休日★★★☆

お勧め映画を観てみました

 以前、「ラベンダーの咲く庭で」を観てブログに感想を書いたとき、老人映画が好き、と書いたら、読んでコメントを下さった方がお勧めしてくれた映画である。以前から観たいと思ってはいたのだが、この機会にと思い借りてみた。ウォルター少年と、夏の休日 コレクターズ・エディション [DVD]
 いかにも配給会社が日本人向けに付けたっぽいタイトルなのだが、原題は"Secondhand Lions"。なに、「中古のライオン」?何のこっちゃ。

ストーリーは荒唐無稽?

 田舎に住む気難しい老兄弟。兄の側の一人娘が、ある日ナヨッちい息子を預けに来る。老兄弟は、理由は謎めいているが、どうやらとんでもない大金を持っているらしいのだ。彼女は身持ちが悪く、自分は仕事を見つけるために学校に通うと息子に嘘をついて、また新しい男を探しに行く。
 初めは気難しい2人に戸惑う少年だったが、次第に打ち解けていく。そのうち少年は、自分の泊まっている部屋で、謎めいた美女の写真を見つける。老兄弟の弟にそれとなく尋ねると、自分たちがアフリカで大金を手に入れるに至るとんでもない冒険譚と、兄のラブロマンスを話し始めた…。
 ある日少年は、倉庫の床下に、大金が隠してあるのを見つけてしまう。しかしその金には、「NewYork BANK」の文字が…。アフリカで手に入れた大金の話は嘘なのか?そんな時、母親が、私立探偵を名乗る男を連れて帰ってくる。男は、老兄弟がかつて銀行強盗をして、大金を隠している筈だ、と言い、金のありかを言えと少年に迫る…。

見た後は爽やか

 はっきり言って、前半は何だか退屈な映画だなぁと思った。話があちこち飛ぶし、中途半端にコミカルに描かれているのだが、意外とシリアスだったりして、話の中心がどこにあるのかさっぱりわからないのだ。だけど、金の出所に謎が深まってくると、俄然話が面白くなってくる。そこに、お決まりではあるが、気難しい老人と少年の心の交流が絡んでくると、老人映画に弱いワタクシとしては自然と涙腺が緩んでしまうのであった。情けな…。
 しかし、このラストは全く想像できなかったなあ。なかなか気持ちの良いエンディングであった。この感じ、ティムバートンの「ビッグ・フィッシュ」に似てるぞ。
 紹介してくれたミナミさんも「突っ込みどころ満載」とおっしゃってるが、そのとおりですな。でも、全体としてとても爽やかなので、好きです、これ。

タイトルの意味

 さてタイトルの"Secondhand Lions"だが、見終わって意味がわかりました。話の途中で、動物園からよれよれのライオンを買ってくるのだが、そのライオンと、今は老いたがかつては「ライオン」のような生き方をした老兄弟の今の生き様、これらを掛けて「中古のライオン」なんですな。なかなか味のあるタイトルじゃありませんか。「少年の夏の休日」はちょっと…。
 こんなとこに日米の感性or国民性の差?が出ていて興味深い。