コーラス★★★★

コーラス メモリアル・エディション [DVD]
 何だか久々にとても良心的な映画を観た気がする。
 ここのところなんだかんだと忙しく、あまり映画を観ていないせいもあるのだけど、見終わってすがすがしい気持ちになる映画としばらく出会っていなかった。まあ、根がヒネクレ者なのがいけないのかもしれないけど(映画「チーム・アメリカ」とか好きだしね)。
 ストーリーはいたってありがち、フランスの田舎にある問題児ばかり集めた学校に赴任してきた教師が、歌の力で子ども達の心を開いていくというものだ。
 この手の話、嫌いではないのだが、あまりに「感動」させよう、泣かせよう、という魂胆が見え見えだと、引いてしまうんだな。
 その点「コーラス」は、抑制された演出で淡々と描かれていて、それがかえって効果をあげている。子ども達がナントカコンクールで大逆転優勝する、とかいう類の、とりたててのクライマックスはないのだが、最後のシーンはとてもあたたかかった。こういうの、好きである。人として、かくありたいと思わせてくれる映画だった。