チーム★アメリカ ワールドポリス★★★★☆

 チーム★アメリカ ワールドポリス スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]この週末、風邪引いて寝込んでるのに無理やり観た。あまりのオバカさ加減に、風邪の回復が遅れたかもしれない。さすがに感想をアップするのは辛かったので本日になりました。
 公開時からDVD化を非常に楽しみにしていた映画であるが、ここまで下品だとは思わなかった!この映画を人に薦めたりすると、マジで人格を疑われる恐れがあるが、でも薦めざるを得ないんだなコレが。少なくとも僕は、この手のブラックな笑い、大好きである。途中で何度も、お腹が痛くなるくらい笑ってしまった。特にクライマックスは、もう卒倒もんである。
 監督は、FOXチャンネルとかで放送している、アメリカの18禁人気極悪アニメ「サウス・パーク」のクリエイターだから、その内容は推して知るべしである。もう何というか、画面から製作者の人の悪さがビンビン伝わってくるのだ。
 基本は「サンダーバード」のパロディの体裁をとった人形劇なのだが、最先端のローテク(?)及びハイテクを惜しみなく投入しており、このアホな映画にこれだけ金かけてるのかあ、と半ば呆れるしかない。
 ストーリーは(というほどのものではないが)、テロを退治するために結成された「チーム・アメリカ」が(名前からしアメリカを小ばかにしてるのがわかるでしょ)世界を股にかけ、人の迷惑も顧みず大量破壊兵器使用を阻止しようとするが…、というものだが、とにかく「サウスパーク」張りにあらゆる人物を毒舌で切りまくるのだ。テロリストの黒幕は我らが日本のご近所の某国独裁者なのだが、それがそっくりな人形で実名で登場し、国連の核査察委員長(こちらも実名)をサメの水槽に放り込んだりする。そればかりか、戦争を声高に批判するハリウッドのセレブ俳優たちまでわんさと実名で登場させた挙句、彼らまでも皆ゴロシにしてしまうという恐ろしさ。「ボーリング・フォー・コロンバイン」のマイケル・ムーアなどは、極左自爆テロ犯として登場させられている!収録された特典映像では、監督のトレイ・パーカーが「とにかく俺は映画俳優が嫌いだ。人形なら、彼らを殺せるからな!」みたいな過激な発言をしてたが、その言葉どおりの内容だ。
 しかし、もう無茶苦茶に下品な映画だ。アメリカのジョークの中でも最も下品なシモネタ系4字熟語を連発するわ、人形のゲロシーンからHシーンまである。PTAの良識派オバチャンなどは、眉をひそめるのを通り越して卒倒するに違いない。
 だけど、日本の「お笑い」はガキみたいにはしゃぐだけで芸がない自称「芸人」ばかりで子どもじみていてツマラン、と不満を抱いている人、何で日本には批判するだけのくだらんワイドショーはあってもポリティカルジョークがないのか、と思ってる人は、一見の価値ありかも。
 もっとも、これ観て気分悪くしても責任は負えないけどね。