「ビフかつ!」という響き

 いきなりだが、ビフかつ、である。天気の良い休日と言うことで気分も良く、がっつり晩ご飯気分。ボリューム感ある洋食系が食べたい気分だったので、気になっていた「ビフかつ」にトライすることにした。
 と言っても、実は、食べたことがない。前にテレビか何かで、関西かどこかではカツといえばビーフカツを指す、というのを聞いたような気がするのだが(全然違ったりして)、それ以来、そのリッチかつどこかしらノスタルジックな響きに惹かれていたのだ。
 そう言えば、最近ビフテキって言わないな。この言葉、何となくメリケンさんの食べもの」的な、文明開化的なる(!?)響きがあって好きである。銀河鉄道999の食堂車で、鉄郎がスタミナをつける時にメーテルにご馳走になるのも「ビフテキ」でしたね。
 ビフテキといえば、なんつーかいじましい思い出がある。小学生の時、パイロットの叔父の家に遊びに行った。叔父の家は、仕事柄アメリカに赴任したりしていたこともあり、なかなかリッチだった。ここである時「ビフテキ」をご馳走になった。母は「ビフテキなんだからしっかり食べなさい!」と言うのだが(ビンボくせ〜)、皿に盛られた固くて黒い肉のカタマリと、一緒に盛られた塩味だけのスパゲッティは、子どもにはちっともおいしくなかった。で、固い肉よりまだしも味のないスパゲッティの方が旨いと感じたからだろうか、その後わりと大きくなるまで、僕はビフテキとはその付け合せの白いスパゲッティのことだとずっと思っていたのだった…
 話が逸れたが、ビフテキ…でなくビフカツ。農産物の輸入が自由化されていない当時とは異なり、外国の安い牛肉がスーパーで手に入るのだからな。2枚で6百円なり。安い肉なので、しっかり塩コショウして、包丁の背でたたいて柔らかくする。
 本当はデミグラスソースが欲しいとこだが、面倒なのでソース+ケチャップ+ワイン+バターを煮詰め、自家製のにんにくしょう油を隠し味に加えてよしとした。
 お味は、…Good!何というか、洋食っぽさ全開。
 なっちゃんは、好きなものを食べる時のクセで、ごはんと味噌汁と付け合せの野菜を初めに全部たべてしまい、あとは肉ばかりを集中的に食らっていた。コラ、「三角食べ」しないと先生に怒られるぞ!
 最後に、「おとーさん、おいしいごはんを作ってくれてありがとー」だって。うい奴じゃ。また作ってやるからな。