ローレライ★★☆

ローレライ スタンダード・エディション [DVD]
 小説を読んでいるので、映像化したらどうなるのか興味があった。
 福井晴敏の小説は、「亡国のイージス」が最高傑作だ。原作である「終戦のローレライ」は、ディテールに凝ってるのだが、感情描写がくどいのと、「アニメっぽい」感じが嫌で、途中でお腹いっぱいになってしまい、乗り切れなかった。ちなみに本は、ヤフオクで高値で売れました。何せ各国が捜し求めている秘密兵器が実は「特殊な能力を持った少女」ってあたりで、完全に引いてしまった。寒っ…
 映画は、あの長大な小説を二時間にまとめているので、その包丁捌きが見たかったのだが、まあ、フジテレビタイアップだし、踊る大捜査線のカントクだし、まあこんなもんでしょうな。これは映画と言うより、スペシャル版テレビドラマと思ったほうが良いです。
 潜水艦映画と言えば、窒息感・閉塞感・緊張感があり、息苦しさが全体にみなぎっているもんだが、なぜかそれが全くないのだ。戦時中の緊張感も空気感も全くなし。スナック食いながら途中でトイレに立っても別にいいじゃんという感じでした。特撮も、ナントカレンジャー級かな(言いすぎ)。
 日本映画の大作は、まずシナリオをどうにかすべし。あと、やたら「熱い」芝居はやめてね。うるさいし現実感ないから。あと、セリフをはっきり言え!何言ってるか聞き取れん。
 亡国のイージスも映画化されている。あの名作がどうなったか、観るのが怖い。