ロード・オブ・ザ・リング★★★★★(殿堂入り!)

とんでもない大作

 大作である。大作過ぎて、一日では観られない。先が気になってイライラしながら3年がかりで映画館で見たが、DVDが発売されたので、好きなときにまとめて観られる!何という贅沢・・・
 最初、「ハリーポッター」系の軽い映画を想像していた僕は、バカでした。比較の対象になどならない。これほど骨太で壮大な物語を、よくぞ映像化したと感服するほかない。原作者のトールキンは、大学教授で歴史学言語学など、さまざまな学問の権威だったそうだが、この物語のディテールは、生半可な知識で描ける類のものではない。

単なる映画というより、一大プロジェクト

 しかし、ここまで来ると、ただの映画と言うより一大プロジェクトである。DVDには、スペシャルディスクとして、映画のメイキングの過程が何時間にもわたって記録されているが、いやはやすごいと言うほかない。鍛冶職人を集めて刀や鎧を何万も作らせたり、原作本の挿絵画家を捜し当ててデザイナーに起用したり、こだわりがすごい。しかもそれぞれに綿密な時代考証がなされている。ニュージーランド大自然の中に城のセットを作ってしまうなど、とにかくスケールが違う。とにかく本物を作りたいという、製作者のこだわりには目を見張る。
 ストーリー、音楽、キャスティングともにすばらしく、ファンタジーの世界をまったく作り物と思わせないリアリティをもって描いている。
 この映画を観ると、しばらく音楽がアタマをぐるぐるめぐったり、主人公がその辺をうろついているような気がするなど(それは言いすぎか・・・)、世界にどっぷりつかってしまうので注意が必要です。
 ただ、これだけは言える。この映画を超えるファンタジー映画は、当分出てこないだろう。