Shine★★★★★(殿堂入り!)
- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2004/06/25
- メディア: DVD
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父の葛藤、妻の愛
実在のピアニスト、デイヴィッド・ヘルフゴッドをモデルにしたオーストラリア映画。
扱うテーマが重たいので見る側にもエネルギーを必要とするが、スクリーンから目が離せない。
僕は『青』をイメージする映画に惹かれる傾向がある。もともとこの映画を観ようと思ったのも、予告編で観た、ヘッドフォンをして青い空をバックにジャンプするヘルフゴッドのイメージに惹かれたからだ(DVDのパッケージ写真)。重たい映画だけに、このシーンは、とても印象的なものになっている。
奥様の書いた原作、”Love you to bits and pieces”(邦題「すべては愛に」)は、世の中にこんなに慈愛にあふれた人間がいるのか、と感激させられる名著だ。映画もすばらしいが、僕みたいな凡人には、奥様のデイヴィッドへの愛というのは、陳腐な言い方をすればほとんど神様みたいに感じられる。
父親と息子の関係というのは、ライバルに例えられることがある。この映画では、貧しい労働者階級で苦労した父と、天才的ピアニストの素質を持った息子の悲劇的な衝突と、父の葛藤が描かれていて、観ていて本当に辛い。父の仕打ちは酷いのだが、彼もまた、息子を愛しているのが伝わってくるのだ。歪んだ形の愛ではあるけれど。