バグダッド・カフエ★★★★★(殿堂入り!)

バグダッド・カフェ 完全版 [DVD]

　主題曲の「コーリング・ユー」が大ヒットした。ストーリーは、別にどうということはないし、舞台も基本的にアメリカの砂漠地帯のカフェだけ。気合を入れて観る映画ではない。でも、心に焼き付いて離れない。クサイ言い方だけど、「元気をくれる映画」という言い方が不思議と当てはまる。自分も、へこんだときに何度かこの映画を観なおしている。映画の中でゆったり流れる空気が、心を解きほぐしてくれるのだ。
　この映画に出てくる主人公、ドイツ訛りのデブおばさん(ブレンダ)のように、はじめは排除されていた異質なものが、次第に受け入れられていく過程というのは、何だかとても心地よく、感動的だ。
　この映画を観てドイツ映画に興味を持ち、何本か観ているが、結構当たりが多い。まあ、厳選して配給されているせいもあるだろうけど。でも、ヨーロッパ映画を観てると、日本人と感性が意外なほど似ているなあ、と思わせられることが多いのだ。そういう発見も、映画を観ていてうれしいことの一つだ。