ボンボン★★★★

 TSUTAYAの棚には、「スパイダーマン3」なんぞも並んでたのだが、どうも神経が疲弊していて食指が伸びず。何か気持ちが安らぐような、ユルい映画がいいなぁと思ってたら、公開時から気になってたアルゼンチン映画「ボンボン」を発見したので借りることにした。ボンボン [DVD]
 ストーリーはいたって地味。20年務めたガソリンスタンドをクビになったさえないオヤジ。娘夫婦と同居しているものの、身の置き所も無い。不況の世の中、仕事も見つからず、手作りのナイフを売って小銭を稼ぐ日々。ある日、道路端で壊れた車の持ち主を助けたことから、見慣れぬ大型犬を譲り受けることとなり、そこから毎日の暮らしが少しずつ変わっていく…といったお話。
 実にどーでもよい話なのだが、飽きさせないんだな〜。茫漠たる風景の中、貧しくとも地味に地道に、でも楽しく暮らしている人たちの姿がとても好もしい。シナリオも何だか練れてなくてテキトーだし、主演のおっさんなんか、本当にガソリンスタンドで働いてたところをスカウトされたらしい。そういうテキトーさが心地よいのであった。何より、でかい「ドゴ」とかいう犬のマヌケな表情がまた可愛いのよね。
 ところで、映画中、話されてる言語はスペイン語。学生時代、第二外国語としてスペイン語をかじったので、まあ話されているのが「スペイン語」であることくらいは判る(それだけかよ!)。しかも、パッケージに「スペイン」と印刷されていた気がしたので、実は最後までこのお話の舞台はスペインであると思い込んでいた。学生時代にスペイン界隈を3週間ほど放浪?したこともあるのだが、「ずいぶん田舎を舞台に選んだもんだな〜」なんて思いながら見ていた。しかしエンドロールを見て初めて気付いた…。なぬ!?アルゼンチン映画!?そういえば、途中、ブエノスアイレスヒッチハイクするカップルが出てきたような気が…
 情けないですな〜。。