ブラッド・ダイヤモンド★★★★

 「でかプリ男くん」主演の社会派アクション映画。事実を元に描いたフィクションだけに、ただのバカアクション映画と違い、なかなか見せる。
 舞台はアフリカ、シエラレオネ。ダイヤモンドを売って武器を調達する反政府軍RUF」と、傭兵を雇って対立する政府軍、という構図をバックに、ダイヤの消費地たる先進国への密輸などが絡み、アフリカ人の血に染まったダイヤモンドが流通することの非人道性を問うてくる。ディカプリオは、密輸に携わる商人の役だが、そこはお約束、最後はちょっと「いい人」となってエンディングを迎える。でも、ただのハッピーエンドではない。個人的には、ディカプリオの顔演技があまり好きではないのだが、この映画ではなかなか格好良かったぞ。ちょっと見直した。いつの間にか年輪を重ねた役者になってた、という感じだろうか。ブラッド・ダイヤモンド (期間限定版) [DVD]
 映画に出てくるダイヤモンドの輸入企業は、あのデビアスがモデルになっているため、映画の公開時にはずいぶん物議をかもしたらしい。いわゆる「紛争ダイヤ」は、その後流通しないようなしくみが導入されたとのこと。でも、確かに、見終わった後では、デビアスやダイヤモンドに対する見方がずいぶん変わるのが面白い。少し前までは、世界のダイヤの100%(最近は75%位らしい)をデビアスグループが扱ってたんだって。まさに独占企業ゆえに、価格操作により高値を維持してきたということなのだ。
 ちなみに、舞台となるシエラレオネでは、国民の平均寿命は何と38歳という。子供たちが、たくさん亡くなるからなのだろう。
 映画では、少年兵に仕立てられていく子供たちが描かれている。実に胸の痛む話である。日本って、何て平和なのだろうね!!
 今後、妻から「スゥイート・テン・ダイヤモンド」なるものをねだられたら、この映画を口実に断ることに決定した。