ブロークバックマウンテン★★★

禁断の愛の物語

 アカデミー賞3部門受賞作である。「クラッシュ」と賞を分けた作品ということで、注目していた。ブロークバック・マウンテン プレミアム・エディション [DVD]
 夏の間、山中でキャンプしながら羊の群れのケアをする仕事で一緒になった男二人の、禁断の愛の物語。
 この手の話は、正直苦手である。でも、評判が高いし、自分と異なる感性を理解できるかという興味もあり、若干無理して借りてみた。
 結論から申し上げまして、…やっぱりちょっと生理的にダメだ〜。
 話としては、世を忍ばざるを得ない二人故の切なさや、二人とも結婚しているため、家族との関係が壊れていく様など、心に響く部分もあるのだが、如何せん、大前提であるところの男同士の恋愛、という部分で、やっぱり乗り切れない。もちろん、そういう嗜好というか性向の人がいるということに関しては理解するし、いろいろ辛かろうということはよく判る。でも、映画としてまた見たいかというと、一度で十分だなあ。

人生いろいろ

 でも、一方の男が突然の事故で亡くなった後にもう片方の男が感じる空虚な悲しみや、ラストで、すっかりしけた暮らしに落ちた男の元を、離婚した妻の元で暮らす娘が尋ねてきて、結婚式への出席を頼むシーンなど、胸を締め付けられるシーンはたくさんあった。人間がよく描かれている映画だという感想。
 ぜんぜん毛色は違うが、映画のネタとして、いわゆるオカマが主人公の映画はけっこうある。中でも、有名な「プリシラ」とか、最近では「ヘドヴィク・アンド・アングリーインチ」ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ [DVD]などといった名作もある。自分が知らない世界を垣間見る、という意味では、毛嫌いせずに見ることも必要かも。
 しかし意外だったのは、最初は「うえ〜」とか言いながら見ていた妻が、最後には「けっこういい映画だったじゃん」、などと言ってること。確かに、印象的な作品であることには間違いない。