SAYURI★★★★

 先週DVDを観たのだが、感想をアップしてなかった。SAYURI [DVD]
 確か巷の映画評では、「こんなの日本じゃない」とか「日本語がヘン」とか「他の国の話としてはまあ楽しめる」といったネガティブな論調が目立っていた気がするので、あまり期待していなかった。…が、なかなか良いじゃない!
 確かに細かい点で、これって日本というより中国的趣味でないの?みたいな部分はあったが、総じて「外国人の見た日本」をとても美しく再現していて、むしろ感心してしまった。天晴れというほかない。まあ、ストーリーはどうかと言われると、ちょっと平板で予定調和のきらいあり。雰囲気を楽しむ映画でしょうね。
 ストーリーや演出に、違和感を感じる部分が無くはないが、それは外国人が撮ったから、というよりむしろ戦前の京都の花町という、現代人に馴染みのない舞台だから故の違和感というべきものだろう。原作はアメリカでベストセラーになった"Memoirs of a Geisha"だが、この本はアメリカの作家らしく下調べに10年もかけたとかで、日本人も知らない祇園の日常が再現されているとのこと。日本でも訳書が文春で文庫化されている。
 だいたい、全編英語なのが変だというが、そもそもハリウッド映画なんてそんなもんじゃん。だって例えば名作「サウンド・オブ・ミュージック」だって、オーストリアが舞台なのにみんな英語でしゃべっとろうが。あまりツマラナイ難癖は付けないがよろしい。
 日本人俳優は、すっかりハリウッドでお馴染みになった渡辺謙工藤夕貴のほか、桃井かおり、役所こうじ(字がわからん)が出演している。ナント元関取の舞の海本人が出ているのには驚いた!
 残念なのは、主演の「さゆり」ほか主だった芸者を、チャン・ツィーをはじめ中国勢が演じていること。やっぱり、国際的俳優に共通する芯の強さみたいなものが、日本の女優には欠けているのか。小雪とか、いいんだけどな。それとやっぱり、英語ができないと、ハリウッドメジャーになるのは困難なのが現実なんですね。これからに期待かな。