寂しくさせてごめんな

やっぱり寂しいんだな

 なっちゃんは、パパと2人旅をしていても、すっかり楽しんでいたし、ぐずぐずしたりしなかったのであまり気にはしなかったのだが、帰宅後、やっぱり寂しいんだな、と思わせる場面があった。
 オクサンは仕事が佳境なので、昨晩も夜中に帰ってきたらしいのだが、本日も出勤。僕らは朝イチの便で帰ってきたので、なっちゃんはどうにかママが出かける午後3時前には会えたのだが、ママが仕事に行くと知ると急にぐずり始め、最後は「イヤだ〜」と大声で泣き出してしまった。連日早起きで、旅の疲れもあり、眠かったのだと思うが、もともと寂しがりで「3人がいちばんしあわせだね〜」といつも言っていることを考えるとやはりかわいそうだ。

ついもらい泣き

 いちばんヤラレタのは、夜の出来事である。
 最近気付いたのだが、なっちゃんはパパと2人だと、「もう寝ようよ」と言うのがけっこう早いのだ。ママもいっしょだと、まだ遊ぶ!と言ってなかなか寝たがらないのだが、パパと2人だけだとやはりママ的な甘え方はできないのか、諦めてしまうようなのだ。しかも、僕には絶対「ママ早く帰ってこないかな?」とか「ママと寝たい」と言ったりしないのがいじらしい。
 そんな訳で今日も9時前には「寝る」と言い出したのだが、たまたまトイレにちっちゃな虫がいたことが引き金になり、「虫こわい〜」と涙声になってしまった。だいじょうぶだよ、と言って寝かそうとすると、なっちゃんは急に背中を向け僕に顔を見せないようにして、何だか泣くのをこらえている。どうしたの、虫はもう大丈夫だよ、と言うと、涙声で「…明日は、ママに会える?」と一言。
 これには、正直参った。
 こちらも、もらい泣きしそうになるのをこらえ、「もちろんだよ〜、何いってんの」と言って抱きしめるのが精一杯だった。
 なっちゃんはそのまま布団にもぐりこんで、頭まで布団をかぶると、僕の手を握ってきた。そして、「あしたは、ママと保育園?」とまた涙声。そうだよ、というと、小さく「…やった。」布団の中で涙を拭っている様子。保育園、ほんとは行きたくないのかな。そしてしばらく沈黙のあと、「パパ、あした早く帰ってきて。」
 とどめを刺された感じでしたね。今度はこちらが泣けてしまった。お友達と遊ぶのは大好きだけど、本当は家族で一緒にいたいんだよね。やはり、母性は父性には代えられないものなんだな。考えてみれば、まだこんなに小さいのに、朝8時過ぎから夜の8時近くまで、ババやママと離れて保育園で過ごしているんだもんね。僕が子どもの時は、小学生の時ですら家に帰れば母がいて、おやつをねだることができたんだもんな。幼いなりに、気張って生きてるんだね。
 申し訳なさで一杯になってしまい、小さい手を強く握った。
 ほどなく、すーすーという寝息が聞こえてきたが、何となく離れがたく、しばらくそのままでいた。お願いだから、まっすぐ元気に育ってくれよな。