なっちゃんの指輪

花いっぱいの紙コップ

 子どもは、「自分だけの世界」を持っている。そこでは、お友達がお姫様だったり、日々パーティーが開かれていたりするのだが、本人はいたってまじめ。空想と現実の境目というのは、子どもにとっては曖昧なものなのだ。おとなが仕事を終えて帰ってきて、子どもの世界に目線を合わせて話すのは、あまりにギャップが大きくて疲れるときもあるけど、やはりホッとさせてくれるものです。
 先日は、「お父さんのために、おみやげ持ってきたよ」といって、小さな紙コップを渡してくれた。なんだろう、と思って受け取ると、中には赤いおしろい花がいっぱい!花をもらうってのは、うれしいもんですね。ほとんど経験ないけど。
 おしろい花でどうやって遊ぶか知ってる?と尋ねると、「うんと、たねをぐぃってつぶすと、中から白いお化粧みたいなのがでてきて、かおにぬったりするの!」という答え。なあんだ、お父さんが子どもの頃と、そう変わらないじゃん。顔に塗りはしなかったけどね。

オリジナル指輪

 最近なっちゃんが後生大事に持ち歩いているものがある。それが、この「指輪」。ピン止めにくっついていたハートが取れてしまったので、それをセロテープで指に巻きつけて留めたものだ。最初はバンソーコの真似事かと思った(なっちゃんはバンソーコ大好き)のだが、良く見たらハートがついてるので、これ何?と聞いたら「指輪」だって。
 さすがに保育園に行く前は外すけど、帰ってくるとすぐはめて、ふろに入るとき外して、寝るときには寝室まで持っていく。やっぱり女の子なんだなあ。いつの間にか、こういうものが好きになるんだな。お洋服大好きだし、そういえば、小さい頃からおかあさんのお化粧の真似とかしてるしね。最近は、黄色とピンクの服しか着たがらないのでちと困り気味。
 プラスティックのハートにセロテープ。ただそれだけのものを、これだけ大事にできるのって、何だか美しいよな。羨ましい。すっかりヨゴレちまったおとなを感じる今日この頃であった。