夜のピクニック

 「夜ピク」である。本屋大賞1位とかいうので、つい読んでしまった。何せノスタルジーの魔術師、とか帯に書いてあるのだ。いかにも自分が好きそうである。夜のピクニック
 で、読んで正解でした。
 いつまでも読んでいたい、という売り文句は、本当だった。真ん中くらいまでは、特に感慨もなく流し読んでいたのだけど、後半はすっかりノスタルジーの世界にはまってしまった。作者の恩田氏の、人間を見る目が温かい。読んでて何度も、「あるある、この感じ」感にとらわれた。
 僕の通った高校でも、「強歩大会」ってのがあって、九十九里浜をえんえん歩いたことがある。確かにあの時は「クダラネー!」と思ってたが、振り返ると何だか楽しい思い出だ。