バラエティ番組「報道ステーション

 ここんとこ新年度で忙しく、更新が滞りがち…
 さて前置きは省くが、テレビ朝日の「報道ステーション」。この番組、少し酷すぎないか。最近…というか以前からなのだが、この自称「ニュース番組」の内容は、少し目に余る。
 少し前に、フジ系の「あるある大事典」が「捏造」で物議をかもした。仕事柄テレビの制作プロセスというか思考方法が多少なりとも想像つく身にしてみれば、この程度の捏造ははっきり言って何の不思議もない。誰もが内心感じているように、こんなのは氷山の一角に過ぎないのは目に見えている。むしろこの程度のバラエティ番組を、みんな(かどうかは知らんが)真に受けて、ダマサレタと大騒ぎしていることのほうが奇妙に映った。
 しかし、報道ステーション。これは実際は「あるある」と同じく、初めに結論ありきで後から解釈を作り出すバラエティ番組ではあるが、曲がりなりにも「報道」を名乗っているのである。童顔の古舘氏が、暗い顔を作りながら「とんでもないことがおきた」だの「せきにんをどうかんがえてるのか」「はんせいしてるのか」「おくそくではあるが」「てっていてきにぎろんするひつようがある」などと紋切り型でひとごとのようにコメントを発するのを観るのは、実に気分がわるい。もはや悪質なプロパガンダ番組だ。

古舘伊知郎氏に告ぐ

 一言で言えば、「エラソーに文句ばかり言ってないで、事実のみを伝えてくれ」。これに尽きる。あなたの憶測やらワンパターンのエラソーなコメントなど聞きたくない。曲がりなりにも報道を名乗るなら、少しはニュートラルな立場で、事実を伝えようと試みたらどうなのか。
 企業、個人、役所。そのすべてを、高みから見下ろすように、「こいつらはとんでもない。反省しているのか」と言うのみ。
 古舘氏がよく言う、「最近の日本は、個人が自己の利益ばかりを主張し・・・」云々。なんでそうなったか、その一端をあなたが担いでいることがわかりませんか。なんでも人のせいにして、あいつが悪い、と言っていれば良いと言う思考回路を広めているのは、あなたがたのプロパガンダのせいなんですよ。物事にはすべて表裏があり、その双方に光を当てて、我々一人ひとりが、人としてどういう選択をすべきか、考える材料を与えるのが報道の役割ではないんですか。
 長崎市長を殺害した犯人が、他局ではなく他ならぬテレビ朝日宛てに、あなた方の言う「犯行声明」を送った理由は何故なのか少し考えてみると良い。

長崎市長の死

 辛いニュースだった。各新聞やNHKは、その背景で増加する「行政を対象にした暴力」問題に焦点を当て、検証していた。ジャーナリズムとして当然だろう。さて報道ステーションはというと、現場中継で「ここで撃たれた」とか「昼間は市民が沢山あるいてました」とか、無意味な話をするのみ。
 そして何より唖然としたのが、警察付近からの中継。正確に覚えているわけではないが、古館氏は「何か犯人の動機は明らかになっているか」と質問。「本人の供述がないのでわからない」と応える記者に対し、「ただの自動車事故をめぐるトラブルというのは不自然だ。憶測だが、暴力団幹部であるし、単なる恨みではないのではないか」などと憶測による誘導的質問をし、「背後関係を見極める必要がありそうだ」などと、あたかも何か市長に後ろ暗いことがあるかのようなコメントを平然と発したのだ。
 これを、ジャーナリズムと言えるのか。単なる井戸端会議ではないか。

ニュース10を復活して!

 この手の話になると、恥ずかしいがついつい熱くなってしまう。
 古舘さんも、かつてF1の中継やってた頃は本当に良かったんだがなあ。故アイルトン・セナを「音速の貴公子」と呼んでた頃。要は、向いてないんだよね。残念である。
 そんなに文句言うなら、見るなということだろう。でも、この手の番組を見て感化され、何もかも自分は正しく、渋い顔をしてすべて世の中が悪いと文句を垂れるだけの人間が増えるなら、それは看過できないことではないか。 
 そもそも、文句言いながら何で見ざるを得ないかというと、昨年からNHKが「ニュース10」を止めて一時間早め、「ニュース9」に変えてしまったからである。9時じゃ見れないんである。11時からは「ワールドビジネスサテライト」見ないといけないしな。
 NHK、頼むから「ニュース10」復活して!