うるさい日本の私
偏屈オヤジ
蒸し暑いので、毒舌なのである。仕事も忙しいし、8月も今日で終わりだし。…って言うか、もう終わってるではないか!!あ〜夏よさようなら。
で、「うるさい日本の私」であるが、中島義道センセイの著作名だ。もともと、椎名誠のエッセイで存在を知ったのだが、これがなかなかの曲者。最近は結構ベストセラーも出ているので、知る人ぞ知る、という感じのこのおっさん、大学の哲学教授なのだがとにかく偏屈なのである。「私は偏食人間」「私の嫌いな10の言葉」「人生を半分降りる」とか、著作のタイトルからも変人オーラがびしびし伝わってくる。
「うるさい日本の私」は、騒音が嫌いな中島センセイが、車内放送のうるさい車掌にクレームをつけるわ、キャンペーンでがなり立ててる店に文句をつけてやめさせるわ、商店街でラジオを垂れ流していると見ればコンセントを引っこ抜くわ、と自ら過激な行動に出ながら戦う姿を通して、日本の音環境がいかに暴力的かを描いていて、とにかく面白い。
騒音天国
実際、僕もこの国の音に対する感覚って、相当オカシイと思っていたので、この本にすっかり共感してしまったのだ(でも中島センセイはおっかないので、あまりお近づきになりたくないけど)。椎名誠氏も、世界中を旅してる目で見て、日本にあふれる「お節介放送」「騒音」「看板」に辟易していて、中島センセイの本に思い切り共感したらしい。
大体、通勤電車ひとつとっても、駅では「電車が参ります」って機械のアナウンスがはいったと思うとすかさずマイクを持った駅員が「電車はいりまーす!!」と叫び、発車ベルが鳴り、「ドアが閉まります」という機械のアナウンスが入り、「ドアしまりまーす!!」と駅員が叫び、ホイッスルを吹き鳴らし・・・と、とにかくウルサイ!!電車に乗ったら乗ったで、ドアに手を挟むなとか、駆け込み乗車は危険だとか、揺れるから気をつけろとか、つかまれとか、忘れ物するなとか、右のドアが開くとか開かないとか、運転手はナニガシですとか、はっきりいってどうでも良いことをしゃべりっぱなしである。マイク持つと何かしゃべりたくなるんだろうな。カラオケ発祥の国ですし。
以前函館に行ったら、せっかく風情のある街なのに、なぜか街頭スピーカーがそこかしこに備え付けられていて、「カニ!カニ!カニ!カニ!うまい!!!安い!!」とか、「パチンコ○○!!」とか夜まで叫んでいるのだ。気でも狂ったかと思った。新宿の地下道では、「煮炊きをするな」とか「接触事故を防止するため注意しろ」とかこれまたうるさい。「接触事故」って、何よ一体。歩行者しかいないのに。
こういう状況ってどう考えても異常だと僕は思うのだが、どうやら多くの人はそうでもないらしい。少し注意して、街中で耳を澄ませてもらいたい。いかにいろんな「○○○しろ」「○○○するな」の声が溢れているか。